吉林省  敦化  思い出4 「ランドセル」

 三月に入り、デパートの売り場にも新一年生のランドセルが並んでいることと思います。

 昨今では、施設にランドセルを贈られる方も増えてきたそうです。改めて豊かな国になったと感じます。

 私のランドセルの思い出は昭和16年の4月。大東亜戦争が始まった年に小学校に入学しました。たった一歳上の姉のランドセルは、高級な牛革製で、チョコレート色に近い赤。表面がツルツルに輝いていました。ところが私のはといえば茶色の豚革。しかも毛穴のブツブツが目立つものでした。毎日姉と並んで登校するたびに悲しい思いをしていましたものです。

 入学後は「欲しがりません、勝までは」のスローガンのもと、私達の身の回りからは物がどんどん消えていきました。

 色とりどりのランドセルをみて昔の悲しかった日々を思い出しています。

2012年3月9日

ドラマ

 昨秋から始まった今シーズンのマラソンと駅伝。数々のドラマを見せていただきましたが、昨日のびわ湖マラソンで大きな区切りが付いたようです。三浦しおんさんの『風が強く吹いている』を読みながら観ました。

 マラソンはたった一人で味わうしかない世界だそうです。

 私の長い人生にもまた、新しいドラマが始まりそうです。

 三月は卒業の月。29年続けた「たきぐち」を卒業します。新たに自宅の中に、ささやかな展示空間を作り新店舗といたします。

 店名は「うつわ・絵 小川」にして最後のコースを楽しみたいと思っています。

2011年3月6日

弥生  三月

 例年になく寒い日が続きましたが、感謝祭は無事、盛況のうちに終わりました。

 今年の「とぶ」のメツセージが沢山の方に好評だったようで、20年振りに逢いに来てくださった方もありました。

 移転の資金も調い、今店は売るものが何もない状態になっています。

 新しい店に並べるものは、今から吟味して今の時代が求めているのは何か探しに行くことにします。

 今お世話になっている作家さんには引続き取扱いをお願いし新作が届くのを楽しみに待つばかりです。

2011年3月3日

朗  報

 最近の新聞記事に、文化審議会が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に和食の登録を提案することを決めたとあり、和食器を販売しているものとして久々の朗報でした。

 和食器は、竹、木,土、漆、ガラス、鉄、その他さまざまな素材で出来ています。色彩も豊富で、その取り合わせの美しさが、料理を愛でる元になり、心豊かに生きることにつながります。

 長い年月をかけて和食の文化に育まれてきたおかげでセンスのいい日本人が育ってきたと思います。安い白い器に押されて和食器の産地がすっかり疲弊してしまった今日、登録によって活気が出て来ることを願っています。

2012年2月21日

蒔いた種

 今から40数年前に輪島塗の器を訪問販売する仕事を始めて以来、いろいろの種をまいて今日に至っています。

 扱うものはすべて日本製、しかも将来骨董品の仲間入りができる力のある作品と決めていました。今、振り返って考えてみますとその思いはほぼ実現しています。ただ予想以上に急激な生活様式の変化があり、骨董の仲間入りの前にやむなく手放さなければならない人が出てきました。

 親子といえど、趣味が異なればどんなに良い物であっても捨てられてしまうという現実があります。 そんな思いから新店舗では、これまで手がけてきた作品の最後の行方を見守るためのコーナーを設置することにしました。大切な作品たちを未来へ届ける、そんな橋渡しをお手伝いさせていただきます。

2012年2月19日

着地点

 3月31日以降のことが今日決まり、ほっとしています。

 ラッキーなことに今住んでいる自宅の隣の部屋が借りられることになりました。今の部屋より広いので、自宅と店舗を一諸にすることが出来ます。

 感謝祭で少し忙しくしているとはいえ、着地点が決まらないのは呑気な私でも少し落ち着かない日々でした。

 中古のマンションを買う話も出ていたのですが、場所のいい所が見つかりませんでした。今住んでいるところは大濠公園にも近い、昔の平和台球場の近くです。何より大家さんが、周辺に広い駐車場を経営していらっしゃるので来客の方にも好都合なのです。

 5月には新しい店が出来ます。 

2012年2月10日

感謝祭

 今日から感謝祭  寒波到来で来客は無理と覚悟しました。

 本当なら1月、2月は物が動かない時なのですが、電話で予約をしてくださる方があり出足は好調です。開店以来値引きセールは一度もしたこと無いこともあり、また私の「跳ぶ」との覚悟に応援の気持ちから予約してくださったのだと思います。

 着地点を決めずに「跳ぶ」のは私のいつものやりかた。今一生懸命着地点を探しています。この店舗は3月31日までです。

 今年は明治維新から三回目の維新だそうです。何となく勘で変わらねばと思ったことは正解だったと思っています。

2012年2月3日

パスポート

 年頭に思ったことは、「前進」でなく「跳ぶ」。 そのためのお守りにと、パスポート取得を思いつきました。 早速、パスポートの申請に行きました。手数料が1万6千円と聞き、国の出先機関にしては高いと取り止めようかと思ったのですが、運転免許証より何事にも効力があるとのこと。他のの資格取得に比べれば安いものと納得。手続きに行ってきました。
 10年間使うパスポートの写真を少しでも綺麗に撮りたいと思いながら撮影。自動車免許の時のような素っ気ない撮影ではなく、いろいろ角度をアドバイスされ微笑みの表情をとることに成功。パスポートは今月中に出来上がるとのこと。

 お守りと呼ぶには少々、大型のお守りですが、今年はこれを肌身離さず持って飛翔の年にしたいと思います。

2012年1月20日

吉林省 敦化  思い出3 「ロンドン」

 今年は夏にオリンピックがロンドンで開催されるので、ロンドンという言葉をよく目にします。

 そんなことがきっかけで、子供時代を過ごした思い出の地、吉林省敦化に「ロンドン」という洋服屋さんがあったことを思い出しました。

 小学校入学の時から終戦の年までのことですから、昭和16年から20年にかけての頃です。まだ暮らしが豊かだった頃で、毎年よそ行きの洋服を仕立ててもらっていました。その仕立て屋の名前が、どういう理由からかは分かりませんが「ロンドン」でした。街はずれの一角にあるその店は、門の外は怖そうな場所でした。

 終戦と同時に家を追われ、難民として放浪暮らしの途中、ある場所で私の洋服を着て立っている少女を見た時の驚きは今も忘れることはありません。 

2012年1月18日

年頭の所感  「跳ぶ」

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。


                平成24年1月10日


 今年は「辰」、「龍」の年あやかって、年頭の所感は「跳ぶ」です。

 今までなんとなく中途半端なところに居る状態が続いていましたので、今年は思い切って色々をリセット。地に足をつけて跳ぶことにしたいと思っています。

 手始めにまずパスポートを取ります。今まで外国に行きたいと思ったことがなくパスポートを持っていませんでした。

 外国行きの予定はありませんが、跳ぶためのお守りにしたいと思っています。